相続税期限後申告のペナルティ

相続税申告には、「相続発生日から10ヵ月以内の申告書の提出・納税」という申告期限が設けられています。

10ヵ月を超えて申告することを「期限後申告」といい、その理由によっては「無申告加算税」と「延滞税」というペナルティ(罰金)が発生する可能性があります。

相続税申告書の提出と納税どちらが遅れたのか、また遅れた時の内容によって罰金の内容が変わります。一覧を掲載しますのでご確認ください。

相続税の「支払い期限」を過ぎた場合に課されるもの

罰金の種類内容税率
延滞税期限後に納付した場合、「追加納付した税金」に対して課されます8.7%
(2カ月以内2.4%:令和4年)

※ 延滞税の税率は年度によって変わります。

相続税の「申告書提出期限」を過ぎた場合に課される罰金と税率

① 申告期限内に提出された申告書の金額不足していた場合に課されるもの

罰金の種類内容税率
過少申告加算税① 申告期限までに相続税の申告書を提出し、その申告書の税額が過少であった場合
② 税務署に指摘される前に、自主的に修正申告をしたとき
0%
① 申告期限までに相続税の申告書を提出し、その申告書の税額が過少であった場合
② 税務署に指摘されて修正申告したとき
・追加納付した税金額の10%
・追加納付した税金額が「期限内に申告した税金、あるいは50万円」のどちらかを超える場合15%

② 正当な理由なく申告期限までに申告しなかった場合に課されるもの

罰金の種類内容税率
無申告加算税申告期限までに申告せず、期限後に自主的に申告したとき追加納付した税金額の5%
※1
申告期限まで申告せず、税務調査により期限後申告したとき追加納付した税金額の15%
※2

※1. 申告が申告期限から2週間以内に行われば0%
※2. 追加納付税額が50万円を超える部分に関しては20%

③ 隠ぺいや仮装がある場合に課されるもの

罰金の種類内容税率
重加算税申告書を提出した場合で、財産を隠蔽又は事実を仮装していたとき追加納付した税金額の35%
申告書を提出しなかった場合で、財産を隠蔽又は事実を仮装していたとき追加納付した税金額の40%

以上のように、

・相続税の納付の遅れに対する罰金
・相続税の申告書の提出の遅れに対する罰金

という2つの罰則があります。

「自主的に申告したか」「税務調査により税務署に指摘された申告したか」によっても罰金の重さが変わってきます。期限を過ぎていたとしても放置せず、きちんと申告をした方が余計な税金を払う必要がなくなりますので、相続税申告は必ず行うようにしましょう。

最も重たい重加算税ですが、これは自主的に申告していても、期限内であっても、仮装・隠蔽があるとみなされてしまうと、非常に重たい罰金が科せられることとなります。

特に、亡くなった方が貯めていたお金であるのに、名義だけ家族のものに変更し、その家族の財産であるかのように見せる「名義財産」や、亡くなる前に銀行から預貯金を引き出しておき、自宅に隠し持っておくような行為をしてしまうと、「仮装・隠蔽行為があった」とみなされてしまう可能性があります。

税務署は亡くなった方の預金はもちろん、ご家族の銀行口座を職権で調査することができます。こうした隠蔽行為は簡単に見破られてしまいます。

相続税申告において重加算税の対象となってしまうと、簡単に数十万円~数百万円単位で追加の税金が発生してしまいます。

期限内にきちんと出しておけば払わなくてよかったものを、誤魔化したばかりに損をしてしまうことになります。相続税申告はくれぐれも期限内に、抜け漏れなく申告いただくことを強くお勧めします。

期限後の相続税申告にも対応しておりますので、「もしかしたら相続税申告しなくてはならなかったかも・・・」という心当たりのある方はぜひ一度ご相談ください。

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